相続手続き - 実例 -

ケース所在不明の相続人がいる場合

Aの相続人は3名で、妻(B)、子(C)、子(D)の場合。

相続内容について

相続財産法定相続分
土地1筆、建物1棟(自宅)
預金 約1,000万円
妻(B) 2分の1
子(C) 4分の1
子(D) 4分の1

相続手続きのいきさつ

Aさんは、遺言書を作成したほうがよいと思いながらも、遺言書を作成することなく亡くなりました。

妻Bさんと子Cさんは、Aさんの前妻との子Dさんの存在については知っていましたが、Aさんの葬儀に子Dさんは参列しなかったため、一度も話をしたことがなく、どこに住んでいるかも分からない状況でした。

妻Bさんと子Cさんは、相続の手続きをするにあたり、子Dさんの協力が必要不可欠なことは分かっていましたが、連絡をとるすべがないため当事務所でご相談を受けました。

所在不明の相続人がいる場合、相続手続きを行うことは可能か?

相続人調査をすることにより、所在を確認し連絡をとることも可能です。

相続人調査とは?

相続手続きをする際にまず行うことは、相続人調査となります。

具体的には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や相続人全員の戸籍謄本等を収集することにより、相続人を特定します。

そのうえで、所在不明の相続人がいる場合には、戸籍の附票等を収集し、現在の住所地を確認したうえで、当事務所から相続開始の通知を送ります。

これにより、所在不明だった相続人は自己が相続人であることを認識し、相続手続きに参加していただきます。

遺産分割協議は必ずしなければならないか?

遺言書がある場合やすべての相続財産を法定相続分どおりに分ける場合であれば、必ずしも遺産分割協議書を作成する必要はございませんが、今回のケースでは、自宅の土地、建物があり、子Cさんに単独で相続させたいという妻Bさんと子Cさんの要望があり、子Dさんもそれを承諾したため遺産分割協議書を作成しました。

遺産分割の内容

遺産分割は協議の結果以下のように成立しました。

  • 妻Bさん 現金500万円(預金の2分の1)
  • Cさん 自宅の土地・建物は単独で相続 
    現金250万円(預金の4分の1)
  • Dさん 現金250万円(預金の4分の1)

不動産の相続登記は今後必ず必要です

不動産の相続登記については、これまでは任意であり登記をされない方もいましたが、法改正により令和6年4月1日から相続登記が義務化されます

今後は、過料(罰金にあたるもの)を請求されることもありますので、相続登記は必ずしてください。

注意点

所在不明の相続人がいる場合であっても、法定相続分と異なる遺産の分け方をする場合には、必ず相続人全員が相続手続きに協力していただく必要がございます。

遺言書がある場合やすべての相続財産を法定相続分どおりに分ける場合を除き、遺産分割協議書を作成する必要があります。

不動産がある場合には、令和6年4月1日以降は、相続登記を必ずしなければなりません。